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水車小屋の運命は? [安曇野・穂高]

安曇野、とりわけ旧穂高町のシンボル的景観のひとつとして馴染み深い、
大王わさび農場の水車小屋。
幾多の観光ガイドブックやパンフレットなどにも採用され、
地元のみならず県外の多くの方にも知られる有名なスポットです。
この水車小屋は穂高町を流れる蓼川と万水川との合流地点近くに在るわけですが、
この地域一帯の景観の取扱いが万水川治水事業と絡んで大きく揺れています。


(今朝の水車小屋の風景)

以前から地元メディアを中心に、ネット上でも個人ウェブサイトやブログなどで取り上げられ、
住民のみならず観光で当地を訪れた人たちも含めて多くの関心を寄せてきたこの問題。
簡単に言えば、万水川最下流地域の洪水防止のための治水事業として、
万水川にバイパスを設けるのと同時に水車小屋周辺地域の河岸に堤防を設けるという事。
工事自体は計画もすでにまとまった状態のようですが、
景観問題や動植物の環境問題などを中心に工事内容に異を唱える声も多く、
田中知事の「もっと広く意見を頂戴して工事内容を検討するように」という声がかりなどもあって
工事はいったん中止(延期?)というかたちになった次第。
で、工事中止に至る経緯や今後のあり方に対する説明会というのが
昨夜、県の安曇野事務所に於いて行われまして、私も出席して話を聞いてきました。

「万水川河川改修事業(最下流工区)についての説明会」。
お恥ずかしい話ですが、わたくし安曇野・穂高に暮らし始めて7年以上経過し、
尚且つ水車小屋まで歩いて行ける距離の場所にずっと住んでいながら、
つい最近まで万水川最下流地域(=水車小屋近辺)で治水事業の一環として堤防工事が
行われる予定だったことなど、全然知りませんでした。
なので、この工事が計画されるに至った詳しい経緯も未だよく分かっていません。
説明会参加に先立って少し調べ、旧三郷村の黒沢川治水事業とも関連していることや、
この下流地域は昔から台風などの大雨時にはたびたび川の水が溢れ出し
地域を冠水させているのだということを知った程度です。
そんなわけで経緯の詳細を語るにはあまりに知識不足なので、
ここでは敢えて経緯には触れずに先へ話を進めます。

昨日の説明会は工事の発注主である県が主催したもので、
その説明を聞いた後、出席した住民と質疑応答を進めるという内容。
流域住民の安全を図る目的で実施される治水事業。
何にも増して大切な住民を守るという前提はもちろんですが、
実際のところは田畑やわさび田、それに住宅などの財産の保護というのが
実質的な目的と考えても差し支えないと思います。
(実際に質疑応答の時間にそのような話をされた方もいらっしゃいました。)

もちろんそれはとても大事な事で、治水というのは本来そういう意味を持つものですから、
洪水が起きて生命や財産が脅かされることを未然に防ごうというのは大切な事業です。
問題なのはその事業が景観破壊に繋がるのではという危惧があることで、
これは万水川に限らず、また長野県に限らず全国各地で議論を生んでいる難題です。

今回の論点は「安曇野の誇る景観を守りつつ、治水を実行するにはどうすればよいか」ということ。
それについて県側の計画は大まかに言って以下のような内容となっています。
1.河床掘削を避ける(水生生物、地下水脈に配慮)
2.平常時における原川水量の確保(わさび田、畑などの親水性の確保)
3.景観に配慮し、川岸樹木の伐採を避ける
4.ビューポイントからの景観に配慮し、堤防高さを抑える

その他、バイパス・堤防工事全般で工法に工夫を凝らし、
景観を損ねない(損ねにくい?)ような納め方をするということも説明がありました。
例えば、コンクリートは原則として用いず、
篭マットという玉石を網の中に充填して堤防を設置し、
その上に土を被せ、在来種を中心に植栽を施すというものなど。
上述した堤防高さを抑えるという点については
高いところで1m、低い場所なら30~40cm程度だそうです。
(洪水時の想定水量などから必要高さを算出したのでしょうね。)
30cm程度で堤防っていうの?みたいな疑問も無きにしも非ずですが、
これは主に水車小屋の対岸での話で、対岸は現況でも土地が若干高いので
その程度で十分なのだそうです。
水車小屋側については1m程度の計画となっているようですが、
これは水車小屋と大王わさび農場の建築物との間にある通路付近に設けられる計画です。
水車小屋の裏手を通過した堤防は観光客向け駐車場の際を通って川岸に隣接し、
そこから更に蓼川沿いに上流へ向かって敷設される模様。


(駐車場から水車小屋(写真左の林の向こう側)方面を望む。赤線が堤防設置予定箇所)

ビューポイントからの景観に配慮という点では対岸の堤防より
むしろこの駐車場際から上流へ伸びる堤防がネックとなりそうなのですが、
(トップに張った今朝の水車小屋の写真で言えば、小屋奥の川岸に堤防が出来る訳です。)
建設された堤防を頭の中でイメージしてみると、
素人的且つ私的な感想では「べつにどうってことないんじゃないの?」
なんてふうに思えたりもします。
景観保全と土木事業の治水という、ともすれば相容れぬ両者の関係の中で、
バイパス工事の内容も含めて上手い具合に妥協点を見出しているのでは、
などという感じにも思えるのですが、いかがなものなんでしょうね?

ただ、昨日の説明会での質疑応答では景観に関する問題だけではなく
「工事による悪影響が懸念される水生生物などの調査が不十分ではないか」という意見や、
「治水工事に賛成だが、わさび田近辺だけの問題ではなくもっと上流のことも考えて欲しい」
などという意見も出されたり、一点のみを集中的に議論できる内容の問題ではないことを
改めて思い知らされたりもしました。

また、この説明会を経て、今日から県では
『万水川水車小屋周辺の景観を語る会』の会員募集を開始しています。
「上記の計画の景観面について幅広く議論し、河川管理者へ提言していただく」
というのが会の趣旨で、推薦された委嘱会員数名の他、公募会員が10名募集されます。
応募資格などがあり、詳しくは担当事務所のホームページを参照して頂きたいのですが、
昨日の説明会参加者からも
「何故10名限定なのか?」
「希望者は全員参加可能でいいのではないか?」
といって意見が強く出されたことから、
委嘱会員も含めてもう少し人数枠が広げられそうな雰囲気でした。

いい加減な気持ちで会に参加する訳にも行きませんから、
私のような詳しい経緯を知らない人間が申し込むのはどうかという気が無きにしも非ずですが、
近所に暮らす住民という立場には変わりなく、水車小屋に限らず安曇野の景観については
これまで以上に気を配っていきたいと思いますし、なにより公共工事であるという面を考えれば
納税者として意見を述べる権利だってあるわけですから、
その点をじっくり考えて会に申し込むかどうかを判断しようかと思っています。
そうでなくても景観問題というのはどこに暮らしていてもつきまとう大切な問題ですからね。

以下に関連するウェブサイトを記しておきます。

長野県公式HP「治水・利水対策推進本部」
 === 「http://www.pref.nagano.jp/keiei/chisui/honbu.htm
長野県安曇野建設事務所
 === 「http://www.pref.nagano.jp/xdoboku/toyoken/index.htm
『万水川水車小屋周辺の景観を語る会』会員の募集について(PDFファイル)
 === 「http://www.pref.nagano.jp/xdoboku/toyoken/yorozuigawa/osirase.pdf


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